幽霊女に恋をした。
屋上につくと、柵のすぐ近くに佇んで
いる、柊羽さんの姿があった。
「柊羽さん...?」
振り向いた柊羽さんの瞳がたたえていたのは
深い悲しみで。
私は何も言えなくなってしまう。
それでも、柊羽さんは私の言葉を待って
いるようだったから、無理やり言葉を
絞り出す。
「...教室に戻らないと、授業始まっちゃいますよ?」
なんて、気の効かない言葉だろう?
こんな事しか思いつかない自分に落胆する。