幽霊女に恋をした。
「俺さ、中2のころだから...3年ぐらい前か。に、好きな女の子がいたんだ」
私は、話し出した柊羽さんを見上げる。
「その子は、一生懸命で、おせっかいで、なんか晴ちゃんみたいだったよ」
お...おせっかいなんて思われてたんだ...
ちょっと否定したくなったけど、
口をつぐんで、次の言葉を待つ。
「俺の方から告白して、その子と付き合うこともできた」
じゃあ、柊羽とその子は両想いだったんだ...
どうして、その子は今、柊羽の側にいない
んだろう?
きっと、話を聞いていればわかるよね。
「ある日、その子と駅のホームで電車を待ってる時...」
え...駅の、ホーム...
わからないっ!
けど今、柊羽の話を中断させる訳には
いかなくて。
「子供がホームから落ちてさ、もうそろそろ電車が来る頃なのに...、その子はその場で泣き出しちゃって、駅員の人もそばにはいなかった」
思い出すように、目を細めた柊羽さん。
「...俺は、どうしてもその子が放っておけなかった。何かに促されてるみたいに落ち着かなくなって...彼女が止めるのも聞けなくてホームから降りた」
降りた、って...
そこは、危ないところなんじゃないの?