幽霊女に恋をした。


部屋に入り、総司さんを見た瞬間


私ははっと息をのんだ。




前に見た時よりも相当痩せていて


顔は青白く、死人のようで...



本当に彼が、死病に蝕まれているんだ


と実感した瞬間だった。




「具合はどうですか?」


見るからに悪そうだとわかるのに...


私はそんなことを聞いている。




「少し前よりは、よくなったよ」


そう答える総司さんの声はやっぱり弱々しくて


それでもよくなったというのだから


少し前はどれだけ具合が悪かったんだろう?



と思ってしまう。




「それより...近藤さんに会った?」


「局長さんの事ですよね?会いましたよ」


「...元気にしてた?」



総司さんは、ひどく心配そうに聞く。



元気にしてたか、なんて、そんな具合が


悪そうな人が聞くことじゃない気がする。




「はい、元気でしたよ。とっても」


「そっか、よかった...」


総司さんは苦しげに息を吸い込んでから


「近藤さんは、肝心な時に剣を振るえない僕を役立たずだと思ってるかな」


と、悲しそうに私に聞く。






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