幽霊女に恋をした。
選択肢

龍side



俺は、晴におやすみ、と言って


自分の部屋に入ると1人、暗い部屋のベッドに


寝転がった。



「結局、言えなかった...」


あいつ...きれいに遮りやがって...


好き、の代わりに出た言葉は居候幽霊。



案の定、口喧嘩が始まる。





最近、夜になると怖くなる。


夜のうちに、晴が記憶を取り戻して


居なくなってしまうんじゃないか、と。




いつも、記憶が戻るのは夜だった。


晴がいつか居なくなるのは分かりきってる。


でも、今はまだ...心の準備ができてない。




あいつがいない生活なんて、想像できない。


前の生活に戻るだけだ。



そう思っても、もう、前の生活がどんな物


だったかすら思い出せない。



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