幽霊女に恋をした。


藤堂さんと話をしたのは、一回だけ。


私の記憶上は、だけど。




初めてあった時に、私は町人の方に


新選組を悪く言わないで、みたいな事を


言ったのだけれど...



ご丁寧に、その時のお礼を言ってくれたのだ。


『あんな風に新選組を庇ってくれる人がいるなんて、俺すっげぇ嬉しかったんだ!』




そう、無邪気な笑顔で言ってくれたのを


覚えている。




私には、尊王攘夷や、佐幕攘夷とかいった


難しい思想の違いはわからないけど...




彼...藤堂さんは、思想の違いで


新選組を出ていってしまったのだと、


総司さんから聞かされた気がする。




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