幽霊女に恋をした。
奥田龍
龍side
晴、どこ行ったんだよ...
帰る支度が終わって、教室を見回して
見るけど...いない。
おまけに、柊羽もいない。
...二人してどこ行ったんだ?
もしかしたら、一緒にいるのかも...?
晴が、この学校で行きそうなところなんて
一箇所しか思い浮かばない。
俺はため息をつきながら屋上へ向かった。
いや、向かおうとした。
「奥田くんっ」
と、背後から女の声。
振り向くと、顔を赤くした背の低い女
がいた。
「なに?」
「今、大丈夫ですか?」
...あんまり、大丈夫じゃないんだけど...
晴を一人にしておきたくない。
「...少しなら」
前なら、即答で断ってたところだけど
少し気の毒な気がして、そう答えていた。
俺、いつからこんな性格になったんだ...?