幽霊女に恋をした。
龍さんは少し考えるような顔をしてから
家の中に入っていった。
私もそれに続く。
「あの、龍さん...」
龍さんは、私の声に顔を上げなかったけど
聞こえてるんだということはなんとなく
だけどわかったから、そのまま続ける。
「その文、龍さんのお母様からのものなんですか?」
そう聞くと、龍さんはこくんと頷いた。
龍さんのご両親って、どんな人達なんだろう?
と、前から気になっていた。
けど、なんだか聞きづらくて
今も口ごもってしまう。
「俺の両親のこと、気になるか?」
「...はい」
龍さんから切り出してくれて、少し
ほっとする。
「長くなるけど、いいか?」
「勿論です」
そう返事をして、少し姿勢を正す。
龍さんのことを、ずっと、もっと知りたいと
思ってた。