幽霊女に恋をした。



龍さんは少し考えるような顔をしてから


家の中に入っていった。


私もそれに続く。



「あの、龍さん...」


龍さんは、私の声に顔を上げなかったけど



聞こえてるんだということはなんとなく


だけどわかったから、そのまま続ける。





「その文、龍さんのお母様からのものなんですか?」



そう聞くと、龍さんはこくんと頷いた。





龍さんのご両親って、どんな人達なんだろう?



と、前から気になっていた。




けど、なんだか聞きづらくて


今も口ごもってしまう。





「俺の両親のこと、気になるか?」



「...はい」



龍さんから切り出してくれて、少し


ほっとする。





「長くなるけど、いいか?」


「勿論です」



そう返事をして、少し姿勢を正す。




龍さんのことを、ずっと、もっと知りたいと


思ってた。







< 221 / 357 >

この作品をシェア

pagetop