幽霊女に恋をした。



車の中では、真堂さんは



終始不機嫌だった。







「晴ちゃん、と…そちらの方は?」



「真堂さんです」





家に着くと、お母様が迎えてくれたけど



まだ不機嫌な真堂さんの代わりに



答える。





「じゃあ、真堂さん、どうぞ上がって」




そう言われ、真堂さんは浅くお辞儀をした。








昨日も歩いた、すごく長い廊下を抜けて



お母様の部屋まで行く。






「いきなりで悪いんだけど、これを龍に渡してほしいの」




そういって、お母様が渡してきたのは…






「アルバム…?」



と、真堂さんが不思議そうにつぶやく。





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