幽霊女に恋をした。
「私は私って言ってくれて、側にいたいって言ってくれて。龍さんに好きな人がいるって聞いたとき、なんていうか、こう…胸の奥が、チクっとしたんです。どうしてかわからなかったのが、やっと今わかりました」
涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら
それでも晴は笑う。
「私、龍さんのことが好きだったんです。ずいぶん前から、優しくて頑張り屋さんの龍さんが好きだった」
「晴…」
晴に触れることができない俺は
晴の小さな体を抱きしめたい衝動
を必死に抑える。
「私でよかったら、龍さんの側に居させてください。…私が、消えるまで。」
「あぁ、晴じゃなきゃ、嫌だ」
「龍さん…」
「ん…?」
「ありがとう」