幽霊女に恋をした。
何人もの人の声が重なった声。
それが、私の頭の中に直接響く。
『あと、少しだけ猶予を与えよう…午前0時に、また迎えに来る…』
声が聞こえなくなると
金色の光が、何事もなかった
みたいに消えて行った。
その途端、膝の力が抜ける。
龍さんと、一緒に過ごせるのは
今日一日だけ…。
なら、精一杯、笑って過ごそう。
夜、家に帰って来てから
きちんとお別れと…お礼を言おう…。
そう、心に決めた。