幽霊女に恋をした。
その日私は、必死に濡れた布を
宙に浮かせては落とし…
また浮かせては落とし…
という調子で運んでいた。
こんなことでしか、物は運べないのだ。
そして、ベッドというもので寝ている
人物の額に慎重に布を乗せた。
うっすらと目を開けたその人。
「龍さん、具合、どうですか?」
「…大丈夫…だ」
「大丈夫そうに見えないんですけど…」
「お前こそ…顔、いつもより青白いぞ…」
ちょっと疲れたからかな…?
「私なら大丈夫です!…それより…」
私は龍さんにとっても言いたいことがあった。
「見直しました!!」
「…は?」