幽霊女に恋をした。



「なんだか最近、物を運ぶのがうまくなったんです」



そういって笑う晴。





俺の手のひらの上にあるのは



小さくて、薄いピンク色をした



貝殻だった。






大抵の貝殻は割れていたり



かけていたりするのに



この貝殻は、晴が言った通り



すごくきれいで、無傷だった。






「それ、龍さんにあげます」



そういって晴は笑う。





貝殻なんて、もらっても飾るぐらい



しかできないけど…





「あぁ、ありがと」



晴からのプレゼントだと思うと



なんだか嬉しかった。





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