幽霊女に恋をした。

晴side




今、私は病院というところの屋上で



真っ暗な空に祈っていた。





あの時、お年寄りの方を庇って



頭に思いっ切り重い棒が当たった



龍さんは、結構な重症だった。




お医者様の話だと、どうなるか



わからない、と言っていた。





今、龍さんがいる病室には



柊羽さんと、真堂さんが着いている。





私が、屋上に出てきた



理由はあの金色の光に私の願いが



届くように、少しでも空に近い



場所へ行きたかったから。





私の願いは、龍さんのことを



お母様や柊羽さん、真堂さんから



取らないで。





という願い。


龍さんは、まだ死ぬのは早すぎる。





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