幽霊女に恋をした。



「私は、龍さんと一緒には行けません」




そういうと、龍さんの顔に驚きの



色が広がる。





「記憶は、消しません。絶対。約束します」




「まさか…」






「…全部、思い出しました。生きてた時の記憶、全部」




そういうと、龍さんの



私の手を握る力が強くなる。






「本当は、今日の朝にもう、お迎えが来てたんです」



「なんで…そのこと、言わなかったんだよ?」






「今日、家に帰ったら話そうと思ってました。朝に話して、龍さんが暗い気持ちになっちゃうのが嫌だったんです。それで、午前0時に、また迎えに来るって言われました」





龍さんは苦しそうに顔を歪めたと


思うと、私のことを抱き寄せた。




「えっ…龍さん…?」





< 347 / 357 >

この作品をシェア

pagetop