幽霊女に恋をした。
「私は、龍さんと一緒には行けません」
そういうと、龍さんの顔に驚きの
色が広がる。
「記憶は、消しません。絶対。約束します」
「まさか…」
「…全部、思い出しました。生きてた時の記憶、全部」
そういうと、龍さんの
私の手を握る力が強くなる。
「本当は、今日の朝にもう、お迎えが来てたんです」
「なんで…そのこと、言わなかったんだよ?」
「今日、家に帰ったら話そうと思ってました。朝に話して、龍さんが暗い気持ちになっちゃうのが嫌だったんです。それで、午前0時に、また迎えに来るって言われました」
龍さんは苦しそうに顔を歪めたと
思うと、私のことを抱き寄せた。
「えっ…龍さん…?」