幽霊女に恋をした。
「晴がいなくなったら…俺は…」
龍さんの胸に顔をうずめるような形に
なっていて、龍さんが今どんな顔を
しているのかはわからない。
けど、声が震えていた。
「私も…龍さんと会えなくなるのは辛いです。でも…」
と言葉を切って、龍さんの顔を
見上げる。
龍さんの瞳は、涙で潤んでいた。
「最後に、柊羽さんや真堂さん、龍さんと過ごせた一日は、すごく楽しかったし…大好きな龍さんと、両想いになれました。たとえ会えなくなっても、私には。素敵な思い出がたくさんあります。だから、寂しくないです」
そういって、今までで一番の笑顔を
龍さんに見せた。
すると、不意に龍さんが顔を
近づけてきて、驚く。
私の唇に、柔らかいものが触れる。