幽霊女に恋をした。
柊羽side
あの日、龍が大怪我をした日
晴ちゃんは龍の傍についていた俺と真堂に
突然、深々と頭を下げた。
「今まで...ありがとうございましたっ...!」
「え...?」
思いっきり驚く俺とは真逆に、真堂は
あっさりと頷いた。
「そろそろだと思ってた」
そんなことを言う真堂。
そろそろって...
「晴ちゃん...もしかして、成仏しちゃうのか...?」
と、恐る恐る尋ねる。
「...はい。」
と、晴ちゃんは頷いた。
けど...龍は、悲しむんじゃないか?
起きたら、晴ちゃんが居なくなっていたら...
「龍さんに、ちゃんとお別れを言えないかもしれません...」
そう言って、晴ちゃんは心配そうに
龍に目を移す。
「でも...お別れが言えない代わりに、絶対に龍さんのこと、死なせません」
そう、晴ちゃんは断言する。