幽霊女に恋をした。
「最初から最後まで、龍さん、だったな」
そう。
晴ちゃんがいつも心配しているのは
龍のことばかり。
「ヤキモチか?」
「...そっちこそ。」
「...うっせーよ」
こんな会話をしていたなんて、
龍にも、晴ちゃんにも秘密だ。
「柊羽っ!帰るぞー」
そんな龍の声で、俺ははっと我に返る。
龍が教室の外から手招きしている。
真堂はそのそばで、いつも通り
冷めた目つきでこっちを見ていた。
「あぁ、すぐ行く」
そう返事をしてから、少し、教室の窓から
空を見上げる。
そこには、
快晴の空の太陽が、晴ちゃんの笑顔のように
眩しく輝いていた。
おまけ[完]