幽霊女に恋をした。
晴はすぐに手を離し
辛そうな顔をする。
「でも、やっぱり…人に、触ると疲れます…」
明らかに顔色が悪くなっている。
言葉もとぎれとぎれで、ホントに辛そうだ。
「大丈夫か?」
「はい、時間が経てば…治りますから」
「そうか…」
晴の手は…ホントは冷たいんだけど
俺には、とても温かく感じた。
ずっと握っていてあげたくなるような…
守ってやりたくなるような…
そんな、柔らかくて、小さくて
温かい手だった。