幽霊女に恋をした。


こんな風に言ったのは



晴の瞳のにちらっと不安の色が


浮かんだのが見えたから。




晴は、口にも態度にも、出さないけど




たまに不安そうな顔をするのは



気づいていた。





晴があの夢を見てから、早くももう半年も



経とうとしていた。




もう、季節としては春になっていた。





まぁ、150年間なにも進展がなかった



ことを考えたら、進展があった


ほうだと思うけど




はっきり言って、俺は別に



なにも役に立ってない。






それが、なんとも歯がゆい感じだった。





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