幽霊女に恋をした。
柊羽さんの位置からは
見えないみたいで、不思議そうな
顔をしている。
「龍さんは、もらった恋文を
読んでるみたいですよ」
そう、にこにこしながら言うと
「晴…なんでよりにもよって
そいつに、柊羽に言うんだよ…」
「えっ、あ、いけなかったですか?」
私がおどおどしながら聞き
返すと、龍さんに答えを
返す暇も与えず、柊羽さんが
驚いたように声を上げる。
「手紙、もらっても一回も読んだ
ことなかった龍がか!?」
龍さんは、ため息をつきながら
「気持ちを受け取るぐらいは…
俺にもできるから……」
あ…あの時、私が言ったこと…
もしかして、覚えててくれた…?