私、ヴァンパイアの玩具になりました
「はぁ……、コイツは本当に……。誰に似たんだか……」


おじさんは、長いため息をつく。

「……一応、父さーん!!」


日向さんは脚をバタバタさせて、ニヤニヤしていた。

「父さんは、変態じゃない!」

「いやいや、七人も子供産んでるんだから。相当ヤらな…」


バチンッと、良い音がリビングに響く。おじさんは、無表情だった。

「お前、いい加減に…」

「はーい、次、嶺美自己紹介しなよー」

日向さんは、おじさんの言葉を無視して話し出した。


「……嶺美」

嶺美さんは、私の方をチラッと一瞬見てから名前を言った。

髪の毛は、綺麗な金髪。瞳は、水色。身長は、兄弟の中で一番高い。ヘッドホンを、首にかけていた。凄い無表情で、怒ってもなく笑ってもない表情だった。


「はぁ……、コイツは、いつもこうだから…。気にしないでね。優さん」


おじさんが、嶺美さんの頭を撫でると、嶺美さんは、おじさんの手をはらっていた。

「……は、はい」

嶺美さんは、ヘッドホンを耳に当てた。

何を聴いているんだろ?


「ほら、次、藍だぞ」

おじさんが、赤髪の王子様の方に視線を向ける。

「那崎藍。双子の弟。よろしく」


フッと、何かを企んでいる笑顔を浮かべる藍さん。

私も一応、笑顔で返した。

「よろしくお願いします……」

「ほら、次々」


「ほーい。那崎翔、よろしく。優」

「よろしくお願いします…」

「つ…」

おじさんが、話してる途中から自己紹介をしだす愛希君。

「那崎愛希。三つ子の真ん中」

ニコッと、愛希君が笑った。

「最後僕ー!僕、那崎裕!三つ子の末っ子!よろしくね!優!」

「よ、よろしくお願いします」


て、テンションが少し高い……。

温かい橙色髪の毛。フワフワした髪の毛は、肩まで伸びていた。身長は、高い方で。三つ子の中で、一番身長が高かった。

色白で瞳が大きくて、外国の女の子のお人形さんみたいだった。


「………裕、ワガママだから、あまり関わらない方が良いよ」


愛希君が、皆に聞こえるように言った。

「え?」


「愛希、そういうのウザいんだけど」

裕君が、愛希君の発言に分かりやすく機嫌悪くした。

「本当の事言っただけじゃん」

「そういう愛希も、ワガママじゃん」

「裕には負けるね」

段々、険悪ムードが二人を包む。


「……あ、あの…、ケンカは………」

私が、オロオロしてると。おじさんが、二人の頭をグーで殴った。


「いったぁ………」

「痛い……」

「ケンカは、二人でどっか行ってしろ!」

「裕と二人になるなら、一生マズい血飲んでる方がよっぽど良いね」

「僕も。愛希と二人になる位なら、一生レトルト血を飲んだ方が良いよ…」

れ、レトルト血……?な、なんで血?


あ、『血』というお菓子でもあるのかな?
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