私、ヴァンパイアの玩具になりました
「ぉぃ……。……まだ優さんは、お前らの事詳しく知らないんだから、あんまり血って言うな……」

おじさんは、小さな声で兄弟方にコソコソ話をしていた。


「そうなの?……ねぇ、BC優さん。ヴァンパイアっていたら怖い?」


日向さんが、訳の分からない事を、私に聞いてきた。

ヴァンパイア?って、あの人間の血を飲む…妖怪?

「おまっ…」

「うーん……。優しいヴァンパイアなら、怖く無いです。…でも、それって迷信ですよね?」

「分からないよ?もしかしたら、BC優さんの近くにいるかも、しれないよ?」


日向さんは、ニコニコ笑って言った。

「そうですね…。あの……、BCってヤメてくれませんか……?」

「えー……。だって、BとCの間なんでしょ?」

「そ、そんな事、誰も言って無いじゃないですか………」


「本当の所はどうなの?」


日向さんが、ニヤニヤと私の胸をジロジロ見てくる。

「い、言うわけ無いじゃないですか!!」

私は、顔を赤くしながら日向さんに大声で怒った。


「そこは、ノリで言ってよ」

「言わないです!」

「ほーら、暴露しちゃ…。……痛……」

おじさんは、日向さんの頭をバコッと殴った。

「いい加減にしろ。ほら、今から、質問タイムでも始めろ。………優さんに、変な事聞いたら、即殴るからな!」

「はいはーい!僕、質問!」

日向さんが、凄い笑顔で手をあげた。

「変な質問は、殴るからな。ほら、日向」

「胸のカップは、どのく…。いてー!!」

おじさんは、どこから持ってきたのか…。ぶ厚い本で、日向さんの頭を殴った。


「はい、却下。次!優さんも、したかったら質問してね」

「はい!次、僕質問!」

翔君が、手を可愛くあげた。おじさんは、翔君の方に指差してあてた。

「優は、痛いの嫌い?」

「え?……はい。……嫌いです。少し位なら、我慢出来ますけど……」

「首に、牙が刺さるのは嫌い?」


「……………、刺されたこと無いから、分かりません……」

「じゃあ、脚!」

「無いです」

「腕!」

「無いです」

「指ー!」

「無いです」

「胸!」

「嫌です。絶対に、誰にも刺させません!」

私は、立ち上がる。翔君は、ニヤッと笑って私の胸を指差した。

「じゃあ、僕は胸希望するー!」

「はぁ?………翔、右と左どっち希望?僕は、右希望!」

日向さんが、私の右胸を長い指で指差した。


「じゃあ、日向兄ちゃんが右で!僕が左ね!」

「どっちもダメだ。アホ」


おじさんは、グーで二人の頭を殴る。翔君は、目に涙を溜めていていた。

「ちょっとは、手加減してよ。…お父さん……」

「最初に忠告したはずだ。変な事聞いたら、殴るからなとな」

「「ブーブー」」


日向さんと翔君は、おじさんにブーイングをしていた。
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