私、ヴァンパイアの玩具になりました
「ふわぁ…」

部屋に戻ってもする事がなかった私は、勉強をしてて。

数時間、勉強をした私は、少し休憩をしていた。

欠伸と同時に部屋のドアがコンコンッと鳴る。 
「はい?」

「優ー?…僕だよ?翔!」

翔君は、ドアの前で、声をあげた。

「あ、翔君ですか?…どうぞ?」

「ねぇー、優!暇だから、一緒に遊ぼー!!」

翔君は、私に近づきながらトランプを見せる。

「トランプですか?」

「うん!一緒にトランプで遊ぼ!」

「はい!」

私は、返事をしてから床に座った。翔君も、私の前に、ゆっくりと座る。

「ババ抜きしよ!」

そう言いながら、翔君はシャッフルしていく。

「翔君、シャッフル、上手ですね」

素早くカードをきる翔君を見て、私は手を合わせる。

「よくね、日向兄ちゃんとトランプやってたから!」

「そうなんですか?」

「うん!だから、ちょっとした特技なんだ!」

翔君は、ニコニコと笑いながらカードを配り始める。

私は、ただそれを見ていた。

「……ねぇ、負けた人は、罰ゲームしよ!」

「ば、罰ゲームですか?」

「うん!」

翔君は、カードを配り終わると、楽しそうに話していく。

「…どんな罰ゲームですか?」

私が聞くと、翔君は私の肩を指差した。

「……僕が勝ったら、血飲ませてよ。優が勝ったら、僕、なんでも言うこと聞くから」

ね?いいでしょ?と聞いてきた翔君は、無邪気に笑う。

「………か、肩ですか…?」

私が、翔君に聞き返すと、翔君は何かを考えながらうーん…と唸ると。

私の太ももを指差した。私は、嫌な予感がして、口元が固まる。

「うーん…。…じゃあ、太も…」

「肩でお願いします」

肩の方がマシ…ですよね…?

「両肩、ね」

「は、はい……」

私は、震える手で自分に配られたカードを持って見た。

ババ…、あった……。

「…えへへ、優、ババあるでしょ」

「はい…」

「これは、僕の勝ちだね」

えへへ…、と翔君はトランプで口元を隠しながら笑う。

翔君の言葉に、私の闘争心に火がつく。

「…まだ分かりませんよ!」

「優、意外に負けず嫌いなんだね」

翔君は、話しながら、カードを捨てていく。

「はい!」

私も、翔君に合わせながら、カードを捨てていく。

「…まぁ、その方が楽しいから良いけど!僕、絶対に負けないからね!」

「…私も負けません!」

さっきまで震えていた手も、いつの間にか、震えが止まっていて。

「…じゃあ…、ジャンケンね」

カードを捨て終わった私と翔君は、視線を合わせた。

「はい!」

「最初は、グー!ジャンケンポンッッ!!」
< 63 / 122 >

この作品をシェア

pagetop