私、ヴァンパイアの玩具になりました
私が、建物から出て広い庭を歩いていると。花農園みたいなのが、あった。

私は、その花農園の中に入った。チラチラと、中を探検してると、小柄な男の子が一人で座って薔薇を眺めていた。


あの子、兄弟の子かな?……絶対そうだ。だって、赤髪の王子様みたいに王子様みたいな容姿をしているから。

青空みたいに、青い髪の毛。肩まで伸びている髪の毛は、女の子みたいにサラサラ。目は青くて。目がクリッとしている、お人形さんみたい……。


「……………、誰……?」

男の子は、私の存在に気付き、怪しい人を見るような目で、ジロジロ見てきた。

私は、ゆっくり男の子に近付いてお話が、出来る距離まで近付いた。


「……あ、ごめんなさい。……あの、兄弟の方ですか?」


「……………誰」

男の子にギロッと、怖い目で睨まれて私は苦笑いしながら、少し後ずさりする。

「あ、……ぇっと、神咲優です。今日から、兄弟の方達のお世話をする事になりました…」


「……………、血のランクは?」

男の子は、薔薇に視線を向けて私にぶっきらぼうに、聞いてきた。

「………SSAです」

「……………?!本当に………?」


男の子の顔は、パァッと明るくなり、薔薇から私の方に視線を移した。


「………はい」

「SSAか……。凄いね……、そんな人が僕達のお世話だなんて……。毎日、楽しめそう………」

男の子が口角をクイッとあげてニヤツいていた。

「…………あ!……あの……。おじさんが、リビングに集まって、って言ってました」


私が、男の子に伝えると男の子は、一気に顔を暗くさせた。

「えー………。嫌だ……」

男の子は薔薇を見つめながら、口を尖らせていた。

「そこをなんとか………」

「じゃあ……、君が僕の言うことを聞いてくれるなら良いよ………」

「はい?なんですか?」


「今日の夜。また、ここの花農園の所に来てよ」


「分かりました」

私はニコッと微笑む。男の子は私に近付いて、笑った。

笑った顔は男の子とは思えない程、可愛くて。


「君、名前は………?」

薔薇の花びらを触りながら男の子は聞いてきた。

…さっき自己紹介したんですけど、聞かれてなかったんですね…。ちょっとショックですね…。

「神崎優です」

「………そう……。………僕は愛希。よろしくね………」

「よろしくお願いします」

「ねぇ、優。一緒にリビングに行こうよ」

「あ、ごめんなさい。私、後二、三人の兄弟の方達を探さないといけな…、………きゃっ」

私が話してる途中、愛希君にドンッと肩を思い切り押されて、私は地面に背中から倒れる。

愛希君は、私の上に乗って胸ぐらを掴んだ。
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