お前に拒否権はないっ!

俺様詐欺


お昼休みになると香織があたしのもとにすっ飛んできた。



「ちょっと!!聞いてないよー!!


芽衣が新篠くんのことあんなにも大好きだったなんて!!」




うん、言ったことないもんね。


別に今でも好きじゃないからね。




心の中でツッコミを入れるのが精一杯。


放心状態のあたしに声を出すほどの力は残っていなかった。




そんなあたしを無視して香織はマシンガントークを続ける。



「あたしの新篠くんへの想いはね、憧れみたいなもんだったから全然大丈夫!


目の保養っていうかさ。
イケメン見て頑張るぞー!!みたいな??


だから芽衣が新篠くんと付き合ってもあたしたちの友情は壊れないからね!!


あんな情熱的な告白聞いたら応援するしかないじゃなーい♪♪


ああ、でも芽衣と新篠くんが付き合うってことは、あたしも少なからず新篠くんとお近づきになるわけよね。


芽衣が新篠くんの隣の席になった時は1000円で席替わってもらって自分で情報収集しようと思ったけど、二人が付き合うならあたしタダだし!!!!


そうしたらさぁ、新篠くんの超貴重写真や情報がいっぱい…。


タダでお金がたくさ…あっ、あっ、あた、あたたたあたし別に新篠くんの写真や情報をファンに売ろうとか思ってないからね!!

本当に本当にコ・コ・ロから2人を祝福してるからね!!!

じゃねーーーーーーん!!!!」




手に持っている電卓はなによっっっ!?




まあ、祝福してもらっても悪いしいいんだけどさ。


喜んでいるのは嘘じゃないみたいだけど…
< 13 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop