お前に拒否権はないっ!
くじを引き番号の席に着く。
一番後ろの窓側。
我ながらナイスくじ運!!!
冬の窓側ほど幸せな席はない。
暖かい陽射しをあびて心地よく眠れそ…「よろしくっ」
なっ、なぜに新篠くんあなたがーーー??
さっきまで隣には、自称筆箱100個持っている田中くんだったじゃないですか!!
あたしは1個しか見たことないけども!!
「あっ、あの…。田中くんは…?」
「見えねーんだってさ。黒板。
俺、視力2.0だから!!」
…さようでございますか。
それにしても、あなた席替え参加してたんですね…
あの廊下側の1番後ろの1人席が指定席だとばかり思ってたよ。
「俺が隣じゃ不満なわけ?
そんなに嫌ならそのくじ1万で売って来いよ」
「はあ???」
あたしが聞き返すとお前は本当にバカだなという顔で
「1万出してでも俺の隣になりたい奴はいっぱいいんの。
ほら、すでにお前の友達1000円持って手あげてんだろ!」
言われた先を見ると親友の香織が1000円札をあたしに向かって振っていた。