Woman
『もう、歩けない…』
死にそうな顔の私を彼はお腹を抱えて笑った。
そして、私が少し不機嫌になると
ニコッと笑って、私の前に後ろ向きで中腰になった。
「ほら。」
そう言って彼は背中を差し出してくる。
『え?』
「乗れって」
ドキッ
また一つ心臓は音を立てた。
『重たいから…』
「は?ほせーし。
重かったとしても、俺100kgぐらい余裕で背負えるし!」
『ひゃっ!100kgもない!』
「知ってる。
早く乗れって。
花火終わる」
『ぁ、ありがと…』
そう言って私は彼の言葉に甘え
疲れとドキドキで煩い心臓を気付かれないように
そっと彼の背中に身を預けた。