Woman
私をおぶった彼はそのまま神社の奥へ行き
花火がよく見える崖の近くまで来た。
「ここからは危ないから
ここまでな。」
そう言って彼は
崖まで2mくらいの所で私を下ろし
横の石に腰掛けた。
私もすぐそばの石に腰掛ける。
すると今まで静かだった花火は
今日の中で一番大きく音を立て
私の視界へと飛び込んで来た。
『うわぁっ』
今まで花火であまり感動した事なかった
私は、人生で始めてこんなに花火を綺麗だと思った。
「どー?こっから見ると綺麗だろ?」
『うん…。』
連続で打ち上げられる最後の花火達。
それはなぜか私の背中を押してくれてるような
そんな気がした。
『今日はほんとにありがとう!』
私は彼の目を見て心から感謝を伝えた。
「おう!」
そう彼は満面の笑みで私に返事を返してくれた。
その後私達は涼さん達の待つ場所へ足を運んだ。
一人で行くって言っても
心配して着いて来てくれた。
本当に、心から幸せな時だったなって
私は思いながら歩き続けた。