Woman
『そうかもね。
でも、私は楽しかったよ。
この一年間、充実してた。
毎日幸せだった。
そのくらい大好きだったよ。
嫌われるのが怖くて
素直になれなかった…
苛々させてごめんね。
自分でも分かってたんだけど
どうも口下手でさ…ははっ…
だから、たくさん、考えさせたよね。
幸せな一年間ありがとう。
大好きだった。
今度はリョウタが幸せになって?』
「おう。
ごめんな。
お前もいい奴見つけろよ。
じゃ…。」
そう言い残して、気まずそうに
手をあげ、歩いて行った。
真夜中の海辺が彼の足音を飲み込んで行く。
どんどんどんどん小さくなって、
最後は波の音だけになった。