Woman
― ぷしゅっ
冷えた缶ビールを開けて、私は膝を抱えた。
目の前の揺らぐ波を見つめながら、冷えたビールでのどを癒す。
ただただ、その繰り返し。
特に何を考えるなどはなく、私はこの海の苦い思い出を
少しずつ消化していった。
そして
私が、缶ビールの3本目を開けた時だった。
「何してんの?」
いきなり後ろから話しかけられ、私は分かりやすいほど体をびくつかせた。
「ははっ、そんなに驚かなくてもいいじゃん。」
恐る恐る後ろを振り返ると、見知らぬ顔のイケメン。
でも、チャラい感じはなく、優しそうな短髪の彼は
背も高くて、ただでさえ座ってる私は空を見るような感じで見上げる。