Woman





『いいえ。』


そう言ってニコッと笑みを浮かべる私。


また、友人に恵まれてると思った瞬間だった。




私の家への道のりをしばらく

ゆっくりと優美と歩いていた。



日はだんだん落ちて来て、周りには
すっかり茜色の空が広がっている。



空を見上げながら歩いていると
優美が口を開いた。



「彼…


いいんじゃない?」


『な、何?!いきなり!』



いきなり言われてビックリして、
つい、大声になった。



「ぷっ。

相変わらず戸惑いやすいところは
直ってないね。」


そう言って優美は言葉を続けた。


「私はさ?

彼氏途切れてもまたすぐ
彼氏出来てとかで

でもいつもダメ男ばっか。

それってね、私がダメ女だからだと
思うんだ。


世の中にはさ、ダメ女やダメ男って
腐る程いるでしょ?


だからその2人がであって恋をするじゃん。


だから、私は腐る程いるダメ女の中から
腐る程いるダメ男にその時その時で選ばれて

その時その時短く終わるじゃん。


それってやっぱり、幸せとは
違うと思うんだよね。


明奈みたいに長いこといなくたって
本当にいい男と出会って恋できるんなら

その間が1年だろうが2年だろうが
5年、10年だろうが


そんな恋が出来たら、間は関係なく
勝ち組だよ。


彼氏が長いこといないから
負け組じゃないと思うんだ。」





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