Woman





このたこ焼きも、なぜかとても美味しく感じた。


やっぱり、場所や、味も関係あると思うけど、一番は誰と食べるかで
その食べ物への思いは変わってくるんだって
私は思った。


よく、なんかの本にかいてありそうな
事に私はこの時とても同感した。




「おっし、もうそろそろ
花火もクライマックスなってくるだろうし
神社登るぞ!」


『え?!』



「え?!じゃない!

今日は俺に付き合って貰うからな!
よし、いこ!」



そう言って、再び握られた手は
また彼の後ろ姿を追いかける。



私達は早歩きで神社の石段を登る。


浴衣だから登りづらく、下駄の

カランカランと言う音が

祭りの賑やかさがない神社の木々には
とても響いた。



「あと、もう少しだから頑張れっ!」


『はぁはぁっ…ぅ、ぅん。』



久しぶりに登る石段は登りづらかったのもあってか
とても疲れた。


「体力なさすぎ!」


私はこんなにはぁはぁ言っているのに
彼は肩の一つも動かしはしなかった。







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