Wonderful DaysⅠ
新しい生活

迷子の地味子ちゃん





てくてくてくてく…………


さっきから、同じ所ばかりグルグル回ってる気がする……。


私が目指すこの場所は、一体、何処にあるの?

地図を片手に睨めっこは、もう飽きた。


[────はぁ……」


溜め息もつきたくなるよ……

かれこれ、同じ所をさ迷う事2時間。

人見知りの私は、誰かに道を尋ねる事も出来ずにいた。


交番を見つけて、勇気を出して足を踏み入れたのに……

お巡りさんは、パトロール中なのか居なかった。


「……ツイテナイ」


今日中に辿り着けるのかな……


自分の方向音痴さに情けなくなる。


思い起こせば、自分が正しいと思って進んで無事に着いた試しは一度もなかった。


「…………」


戻った方が、いいのかな?

後ろを振り返ったけど最早、自分が何処から来たのかさえわからない。

あの時、寄り道なんてしなきゃ良かった……


今を遡る事、数時間前───


飛行機で空港に降り立ったのは、まだ昼過ぎだった。


< 1 / 757 >

この作品をシェア

pagetop