Wonderful DaysⅠ


「アル兄さん。私、どうしても目立ちたくないの!」


兄さんの瞳を見つめて出た言葉は懇願。

暫く視線を交えていたアル兄さんは「は────っ・・・」と大きな溜め息を吐くと


「これだけは譲れないよ。でも・・・マリアの言い分もよくわかるから、車で送迎して俺は車外に出ない。これ以上の譲歩は出来ない」


きっぱりと言われてしまって、頷くしかなかった。



その後はシャワーを浴びて制服に着替えて下に行くと、既に椅子に座っているアル兄さんとサラダを並べていた修さんの姿があった。


「おはよう、マリア」


エプロン姿の修さんがニコッと微笑む。


「おはようございます、修さん」


返事をして席に着くと隣の兄さんが


「キュートな制服だね」


制服をマジマジと見ていた。

それに同意して笑顔で頷くと「スクールの制服とは大違いだ」とクスクスと笑う。

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