Wonderful DaysⅠ
男の人ばかりだと思っていたのに、かなりの確率で女の人がいる。
その女の人達が熱い視線を送っているのは、先にあるバイク集団の中心。
───あそこに何があるんだろ?
何だか好奇心が沸いてくる。
車がゆっくりと進む中、ジッと眺めていれば・・・通り過ぎる瞬間、見た事のある人物が視界の端に映った。
「木田さん、車を止めてくださいっ!」
いきなり大きな声で叫んだからビックリした木田さんが肩をビクッとさせながら車のブレーキを踏んだ。
「い、如何なされましたか?」
振り返って尋ねてくる木田さんは目を丸くして私を見る。
「あそこのコンビニの駐車場で、ちょっと待っててもらえますか?」
私が指を差した先には一軒のコンビニ。
「今、外に出るのは好ましくないと思いますが・・・」
私の要求に顔を顰めた木田さんだけど。
「大丈夫です!知り合いがいたので挨拶だけしてきます」
そう言ってドアに手を掛ければ
「お知り合いですか・・・?」
「はい。迷子になった私を助けてくれた恩人さんなんです」
怪訝な顔をした木田さんに笑顔を向けて車を飛び出した。