Wonderful DaysⅠ
───あっ、ヤバイ!!!
そう思った時には胸倉を掴んでいた赤髪男の腕を右手で捻り、体勢が傾いたところで左顔面に肘鉄を食らわせる直前だった。
顔に当たる直前に腕を引いたけれど、それでも止まる事無く左顔面に決まってしまって。
その勢いで倒れ込む赤髪男。
「───ってぇ・・・」
威力は弱まったけど、それでもきれいに決まった肘鉄は十分に効いていた。
「てめぇ・・・」
立ち上がって、まだ何か文句を言いたそうな赤髪男に
「あ~、蓮。」
苦笑いを浮かべた葵さんが声を掛ける。
「何だよ?」
突き刺さりそうな視線を私から、葵さんに移した赤髪男。
「彼女には手を出さない方が身の為だ」
遅かったけどな・・・と赤髪男の顔を見てにやりと口角を上げた。