Wonderful DaysⅠ
赤髪男に合わせていた視線を周囲に走らせる葵さんの表情に、あれだけ騒いでいた男達は口を噤む。
「何者なんだよ?この女」
冷めた金色の瞳で私を見据える赤髪。
葵さんも私に視線を向けると
「マリアちゃん」
私の名前を呼んで悪戯っぽく「だよね?」と同意を求めてくるんだけど・・・
───な、何て答えればいいの?
周囲の視線が痛いほど伝わってくる中で、出てこない言葉の代わりにコクリと首を縦に振る。
「別に、その女の名前を聞いたわけじゃねぇよっ!!」
ポカンとしていた表情を一転させ、詰め寄る赤髪を無視すると
「そろそろ時間だな」
スマホにチラリと視線を向けて呟いた葵さん。
その言葉を聞いて一気に冷や汗が吹き出てきた。