Wonderful DaysⅠ
『時間』
───いけないっ!木田さんを待たせたままだった!!
車を飛び出してから、どのくらい時間が経ったのかわからないけど、ここまでの流れで30分は経っていると思う。
早く戻らないと、アル兄さんに連絡が行くかもしれない・・・
「マリアちゃん、どうした?」
青褪めた顔で慌て出した私を不思議そうに見ていた葵さん。
「あ、すみませんっ!私、人を待たせているんで失礼しますっ!!」
ガバッと勢いよくお辞儀をして駆け出そうとしたら
「ちょっと待った!」
葵さんに手首を掴まれた。
何事かと振り向けば
「マリアちゃん、帰り道分かるの!?」
物凄く心配そうな顔をされる。
失敬な!私だって、このくらいの道で迷子になったりしないよっ!
「大丈夫です!」そう答えようとして辺りを見渡せば・・・
───あれ?私、どっちから来たんだっけ・・・?