Wonderful DaysⅠ


何処を見ても男だらけ。

神威の集団の外を見てもギャラリーの人、人、人。

最早、此処に来るまでの景色なんて覚えちゃいない・・・


・・・・・


「・・・・・」


「マリアちゃん?」


確認するように私を呼ぶ葵さん。

その視線を避けるように俯いて


「すみません・・・コンビニまでの道を教えて頂けますか?」



何て恥ずかしいヤツなんだ私って・・・


「あ?コンビニなんて目と鼻の先だろうがっ!」


口を挟んできたのは赤髪男。

私の方向音痴の酷さを知らないから仕方がないんだけど・・・


「そのコンビニの場所が、わからないんです・・」


恥ずかし過ぎて、語尾が小さくなっていく・・


「は?ふざけてんのか、テメェ」


馬鹿にした様な言い方にカチンとくるけど、これ以上、場の空気を悪くしたくなくて口を結ぶ。


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