Wonderful DaysⅠ
「───おい、蓮」
黙り込んだ私の代わりに、赤髪を呼ぶ葵さん。
その低くなった声を聞いた赤髪は
「何だよ」
少しトーンダウンした口調で返事をした。
「コンビニまで彼女を送ってくるから、此処は任せる」
「は?」
赤髪にそう告げると、嘘だろ!?って顔をして固まってしまっている。
「じゃ、行こうか」
そんな赤髪を無視して、私に微笑むと歩き始めてしまった。
───い、いいのかな・・・
そう、思いながらも葵さんの後を追い掛けた。
「おいっ!ちょっと待てよ、葵っ!!」
引き止める赤髪を完全無視して歩を進める葵さん。
他の神威の人達は、総長である葵さんと赤髪の遣り取りを静観していた。
「おいっ!」
後を追いかけて来た赤髪が葵さんの前に立ち塞がる。