Wonderful DaysⅠ


車が見えなくなってから正門を潜って校舎へ向かう。


葵さんに再会したあの日から1ヶ月。

田中さんにコンビニの駐車場まで送ってもらった私は無事に木田さんの待つ車に乗り込み家路に着いた。

一週間のトイレ掃除も終わって、それからは平穏な生活を送っていたのだけれど……


異変を感じたのは、その日の放課後だった────



放課後、授業を終えた私は帰り支度をしていた。


「ちょっと、ちょっと!正門の所に男がいるよ!」


「彼女待ちかな?」


「見に行ってみようよ!」


窓際から聞こえてきた声にふと顔をあげると、窓から体を乗り出して正門の方を覗き込んでいたクラスの女の子達が急いで教室を出ようとしていた。

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