Wonderful DaysⅠ


どうやら、女子高では珍しい光景にクラスの女の子達が盛り上がっているようだ。


「女子高の前で出待ちなんて勇気のある男ね」


隣で椅子を引く音がして、そっちに視線を移すと


「綾ちゃん」


綾ちゃんも気になるのか、窓に視線を向けていた。


「見てみなさいよ。男の周りに女が群がってるわ」


そう言われて窓の外を見ると・・・確かに群がってるって表現が正しい光景が目に映る。


「・・・凄いね」


野次馬はうちのクラスだけじゃなかったらしい・・・

開いた窓からはキャーキャーと騒いでいる声まで聞こえていて、まるで芸能人でもいるかのようだ。


「随分、騒がしいわね。有名人でもいるのかしら?」


確かに、普通の男の子ならここまで騒がないと思う。


「そうだね」


綾ちゃんの言葉に同意して、支度を終えた私も席を立ち上がる。


< 143 / 757 >

この作品をシェア

pagetop