Wonderful DaysⅠ


「もう、帰るの?」


「日誌を職員室に届けてからね」


顔の横で日誌を見せると


「じゃあ、途中まで一緒に行きましょ」


鞄を持って歩き出した綾ちゃん。


「うん」


その後について私も教室を出た。

廊下に出ると部活に向かう人が大半で、昇降口に向かう人は少ない。

この学校はスポーツ特待生制度があって、部活動に力を入れている。

早く言えば、殆どの人が部活に入っているのだ。

隣を歩く綾ちゃんも特待生の一人で、中学の時から弓道で有名だったらしい。

弓道部に入っている綾ちゃんは、放課後練習の為に校舎裏にある弓道場へ向かう。

帰宅部の私と違って、帰りはかなり遅いらしい。


「マリアは部活に入らないの?」


階段を降りていたら綾ちゃんに話し掛けられた。

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