Wonderful DaysⅠ
「うーん・・・特に入りたい部活も無いし、あまり帰りが遅くなると心配掛けちゃうからなぁ」
部活に入らない理由を言うと
「有り得ないくらい方向音痴だものね」
クスクスと笑い出す綾ちゃん。
きっと転校して来た頃を思い出しているに違いない。
この学校に転校して来て教室に辿り着けなかった事、数回・・・いや、数十回。
───だって、この学校の校舎の造りが複雑すぎるんだもんっ!
方向音痴に関しては全くその通りなので、苦笑いを返すしかない。
「今日からお迎え無いんでしょ?気を付けて帰りなさいよ?」
まるで小学生に言い聞かせるように言う綾ちゃん。
帰りの帰路まで心配される私って・・・
「はぁい」
軽く手を上げて返事をすれば職員室の前だった。