Wonderful DaysⅠ



「じゃぁ、また明日ね!」


「うん、また明日。部活頑張ってね!」


眩い笑顔を振り撒いて、軽快な足取りで校舎裏に消えていった綾ちゃんの姿を見送ってから職員室の扉をノックして中に入って行く。


日誌を先生に渡し職員室を出て昇降口に向かえば、正門の方から戻って来た女生徒の話し声が聞こえた。


「超ラッキーだったねっ!」


「ほんと!こんな所で会えるなんて思ってもみなかったし」


「それにしても、格好良かったねー」


どうやら、出待ちしていた男の人の話題らしい・・・

それを聞き流して下駄箱のローファーに手を掛けた時だった。


「でもさぁ、誰を待ってたんだろうね?結城さん」


一人の女生徒の言葉に動きが止まる。


───結城さん?まさか・・・あの魁さんの事じゃないよね?


女生徒達に視線を動かせば、きゃいきゃいとはしゃぎながら廊下に消えて行った。

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