Wonderful DaysⅠ
確かに此処は学校のすぐ近くで、いつ人が通るかわからない。
此処で暴れて騒ぎになったら、それこそ退学だ。
「一緒に着いて来い」
静かになった私を見てニヤリと厭らしい笑みを浮かべた男は、手首を掴んでいる手に力を込めて歩き出した。
振り払う事も出来ずに、引かれるまま後を着いて行く。
この手を振りほどくのは簡単。
でも・・・今逃げられたとしても、それで終わりじゃない。
明日も、明後日も私を捕まえるまで続く筈。
「・・・はぁ」
男に気付かれないように小さく溜め息を吐いた。
───何でこんな事になったんだろ?
そりゃ、白皇の総長様を回し蹴りしちゃったから怒るのもわかるけど・・・
女一人に何で、こんな厳つい男がやって来るのよ?
目の前を歩くこの男は、まるでプロレスラー。
とても同じ高校生には見えないんですけど・・・