Wonderful DaysⅠ
そんな事を考えている間にも、どんどんと何処かに向かって進んで行く。
既に、いくつかの路地を曲がって通った事の無い道を歩いている私達。
仕方がないから着いて行っているけれど・・・
───あんまりゴチャゴチャした道だと、帰れなくなっちゃうっ!
きっと、私の顔は青褪めているに違いない。
「クックッ・・随分、顔色が悪ぃな。怖いか?」
振り向いて様子を伺った男は、私が怯えていると勘違いしているらしい。
実際の私は男よりも、もう帰り道がわからなくなっている事の方が怖くて仕方がないのだけれど。
今迄、学校から修さんの家まで一直線の大通りしか通った事がない私には、今通っている道はまるで迷路。
今日に限ってアル兄さんはイギリスに帰っちゃってるし、修さんも仕事で今日は帰れないって言っていた。
って事は、GPSも無意味で自力で帰るしかなくて・・・
───間違いなく、迷子じゃんっ!!!