Wonderful DaysⅠ
「どうでもいいから早い事、ヤッちまおうぜ?」
見世物になっていた私の前にいる男が皆に声を掛けた。
「あぁ、それもそうだな」
「結城の女か・・・少しは楽しめそうだ」
勝手に話を進めている男達。
───あんた達と一体、何を楽しむって言うのよ?
「悪いけど。あなた達に付き合っている暇は無いの」
私は、一刻も早く帰り道を探さなくちゃならないんだから!
切実な願いと、我慢の限界を超えていた手首の痛みに迷わず隣の男に掴まれていた手首側の腕を自分の方へ引く。
「うおっ!!」
男の足が一歩前へ出たところで、向こう脛に爪先でキックをして、そのまま足を引っ掛けて上げる。
すると、男はその勢いで倒れ込んだ拍子に掴んでいた手首を離した。