Wonderful DaysⅠ
私の手首を離したのを確認すると、魁さんも乱暴に男から手を離す。
「いってぇ───っ!!」
手首を押さえた男に突き刺さりそうな視線を向けると
「コイツに関わるな。これ以上関わるなら、俺が相手になってやる」
乙女のハートを鷲掴みにする王子様のようなセリフにキュンとしたんだけれど・・・
魁さんが魔王様に見えるのは気のせいだろうか?
白皇の男達を見据えている視線の鋭さに、誰も何も発する事が出来ず、この場を悠然と立ち去ろうとする魁さん。
私と視線が交わると公園の入り口へクイッと顎で合図をする。
───ヴヴオォン、ヴヴオォォ──ン
次の瞬間───
遠くの方から、けたたましい爆音と共に現れる無数のライト。
───まだ仲間がいるのっ!?
そう思ったのも束の間で。
その爆音を奏でているバイクには『神威』の名前が刻まれた旗が靡いていた。
その数は膨れ上がって、あっと言う間に公園を覆うほどになっていて・・・
「お待たせ、マリアちゃん」
先頭で爽やかな笑みを見せるのは『神威』の現役総長様の葵さんだった───