Wonderful DaysⅠ


「あぁ」


短く返事をする魁さんに溜め息を吐くと、私達の奥に見えるであろう白皇の男達へと視線をずらした葵さん。


「今回の事は、白石と話がついている。これ以上は手出し無用だ」


葵さんの言葉を聞いた白皇の男達は、納得したのか動きを見せることは無かった。

今の葵さんの言葉で、頭の中に浮かんでいた疑問符が解けた。

やっぱり、私を助ける為に此処まで来てくれたんだ・・・


でも、新たな疑問が浮かんでくる。

白皇の男に待ち伏せされていた時も、此処に連れて来られる途中でも誰ともすれ違っていない。


───何で、此処にいるってわかったの?


いくら考えても出てこない答えに思考を止めた。


『深く考えるのはやめよう!』


私の頭じゃ、きっと答えは出てこない。

そう思い直して、白皇に向けていた意識を戻せば


「さて、帰ろっか!」


葵さんに声を掛けられた。

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